紅茶の製造が西日本の各地で盛んであった昭和30年代、四国高知でも山茶(山に自生する茶)を使っての紅茶作りが始まりました。
しかし、山茶では品質のいい紅茶が出来ず、当時日本で育成されていた紅茶用品種の導入が図られ、高知県にはおもに「べにほまれ」「はつもみじ」の2品種が導入されました。
昭和30年後半には紅茶製造も軌道に乗り、一時期海外へも輸出が行われ、「はつもみじ」は全国で700ha程栽培されていたようです。
昭和00年に外国産紅茶の関税撤廃(輸入自由化)が日本政府から発表されると同時に緑茶への転換が推し進められ、昭和45年をもって国産紅茶の製造は終わりを迎えました。
当時植樹されていた紅茶用品種の殆どは時代とともに姿を消し、今では仁淀川流域の数か所に茶樹が残るのみとなりました。佐川町には「はつもみじ」の茶園が奇跡的に残っています。
[佐川町尾川地区に残る50年生の「はつもみじ」の茶園]
品種の特性
・新芽の色は黄緑色
・茶葉は細長く大型(アッサム種の特徴が表れています)
・紅茶に加工した時の特徴
水色ー濃いオレンジ色
香りー砂糖を焦がしたカラメルのような奥深い甘い香り
渋みー口切れのいい渋さ
「はつもみじ」という(明郷園がそうだっただろう思う)名前の由来
・紅茶用品種のほとんどは‘赤みが差した芽’が出ますが、はつもみじの
新芽は‘黄緑色’です。そんな黄緑色の茶葉が、発酵が進むにつれ赤く
変わって行く姿が、まるでモミジが紅葉していくように思えたので
「はつもみじ」と命名した?
上の「はつもみじ」を親に挿芽をし、明郷園に定植して5年目の茶園。(秋)
昭和28年に国産紅茶用品種として品種名(旧名:茶農林1号)が登録されました。
お山の茶 明郷園 〒789-1201 高知県高岡郡佐川町甲1682-7
園の所在地:佐川町中組字ウスギ山1539-5